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2010年05月11日
ゴッド・ファーザーにあこがれて
Ciao. spockです。
この"spock"という名前、高校生の頃からのあだ名なんですが、『宇宙大作戦』(今は『スター・トレック』の方が通りがいいんでしょうね)で、レナード・ニモイ Leonard Nimoy が演じたMr.Spock(後のSpock船長)に似ていたから付けられたわけです。
その、レナード・ニモイが俳優を引退するとニュースで知ったのですが、何か寂しさを感じますね。
ただ、そのニュースの記事の最後に書かれていた一行を見て、思わず笑ってしまった。
『ニューヨーク・ポスト紙によると、今後は専門としているヌード写真の撮影に専念するとのこと。』
やっぱり、ヘンな人なんですねぇ。(笑)
と、そんな事を思っていたら、さらに続編がありました。
カナダのアルバータ州にある、人口約2000人の町『ヴァルカン』を、レナード・ニモイが訪れたというのです。
Mr.Spock は、ヴァルカン星で育ったという設定になっているので、スター・トレックのファンには人気の場所なのだそうですが、同じ名前というだけで押しかけるファンもすごいけど、毎年夏に「スポック・デイズ」という祭りをやってしまう町もすごいですね。
レナード・ニモイの訪問に対し、とがった耳をつけた町長が挨拶した、というノリに、思わず笑ってしまいましたけどね。
さて、では本題に入りましょうか。
3月の終わりに、いつも贔屓にしてもらっている、あるグループ会社のCEOから予約が入りました。
グループ会社の社長5人が集まって食事会をするとの事で、CEOお気に入りの、鯛のモンテカルロ風バターソースと、子牛のミラノ風カツレツを希望されました。
当日の夜、料理の準備も済ませ、いつものように、二人と三人が向かい合うようにテーブルをセットして、お待ちしていました。
CEOが最初に来られて、他の方たちが揃うのを待っておられたのですが、何か思いつかれたようで、「あの~、テーブルのセット、変えてもいいですか」って言われたのですよ。
で、オレも手伝って、CEOの言われるようにセットを変えたのですが、出来上がったセットがこんな感じ・・・・

2台のテーブルをフルに使い、CEOを中心に、空間を多くとって、ゆったりとした配置にしました。
並べ替えた配置を見て、CEOが言いました。
「ゴッド・ファーザーの映画を見てから、こういう配置のテーブルで食事をするのに、ずーっと憧れていたんですよ。」
なるほどねぇ・・・・
ウチのテーブルは結構大きいので、普通に座っても十分に間隔が開きますから、いつも間隔が開き過ぎないようにと思ってセットしていたのですが、こんなふうに間隔を広く取ってセットする、というのもアリですね。
確かに、この日の食事会の雰囲気は、ゴッド・ファーザーのシーンを彷彿とさせるものでした。
この日は、料理もワインも、そして雰囲気も、皆さんに喜んでもらえました。
こういう事が、一組ごとにお客さんの希望に合わせる、ウチの強みなんだと思いますね。
さて、この日お出しした料理について、書いてみましょうか。
まずは『鯛のモンテカルロ風バターソース』ですが、ウチでお出ししている料理の中で、ハマる人が一番多い料理です。

簡単に言えば、鯛のムニエルに、ニンニクとアンチョビを入れたバターソースを絡めたものなんですが、その焦がし具合にテクニックが必要なんです。
誰にでも、得手不得手というものがありますが、とういうわけか、オレはこのモンテカルロ風バターソースが全く苦手で、本当に自信を持ってできるようになるまで、20年かかりました。
でも、一番苦手だった料理が、今では店で一番人気の料理なんですから、判らないものですね。
このソースで難しいのは、バターとニンニクとアンチョビを、それぞれがちょうどいい焦げ具合になるように合わせるタイミングなんですよ。
たんぱく質を焦がす事で香りを出す、いわゆる『メラノイジン反応』・・・・早い話が、しょうゆを焦がすといい香りがする、アレです・・・・を最大限に活かした料理ですね。
このモンテカルロ風のバターソースは、パンにつけて食べるのには最高に美味いソースだと、オレは断言します。
鯛を食べ終わったら、一緒にお出しする『ロゼッタ』(イタリアから輸入しているパン)につけて食べてもらうと、病み付きになる事は間違いないですよ。
これは、ぜひ一度試して頂きたいですね。
ただ、ロゼッタはイタリアで製造中止になったので、今ある在庫が無くなると終わりです。
お早めにどうぞ。
次は『子牛のミラノ風カツレツ』です。

普通、地名がついた料理は、必ずしなければならない手順が決まっているものなんですが、この料理の場合は、料理自体がシンプルな事と、誰もが知っているほど有名なせいで、専門書を見ても、どれが本当なのか判らないくらい、いろんな作り方があります。
ウチでお出ししているのは、正統的な『ミラノ風』のカツレツだと自負しているのですが、それには理由があります。
オレが料理を教わった『ベルゲン』の安田氏は、ミラノ料理の最高峰であり、イタリアで最高の格式を誇る『サヴィーニ』 Savini で修業されたのですが、安田さんからこの料理を習った時、これだけの事をすべてやって初めて『ミラノ風』と言えるんだ、と言われました。
オレはその安田氏直伝のやり方を守ってやってますから、ミラノ風カツレツの『正統』を名乗ってもいいと思うのです。
上の画像で、カツレツの上に載っているのは、皮を剥いてスライスしたレモンに、みじん切りにしたケッパーを載せたものです。
ナイフの先でケッパーをレモン全体に広げ、適当な大きさに切って、カツレツと一緒に食べるのですが、ケッパーには、独特の香りがあるので、もし、合わなければ、カツレツだけで食べてもらえばいいですよ。(もっとも、今のところ、合わないと言われたお客さんはおられませんが)
肉料理をサッパリと食べたい、という時にはお勧めの一品です。
その食事会を気に入って頂けたようで、それから一月経った4月末、CEOから予約が入りました。
前回と同じようにやってほしいとの事。
ありがたい事です。
また、前回と同じようにテーブルをセットして、お待ちしました。
魚料理は、ちょうどいい大きさの鯛が入ったので、久しぶりに『岩塩包み焼き』にしました。

岩塩の塩味と、レモンだけのシンプルな味付けなので、鯛の味そのものを味わって頂けますね。
肉料理は、『ローマ風サルティンボッカ』にしました。

このサルティンボッカ Saltimbocca という名前、saltire(飛び跳ねる)と bocca(口)をあわせたもので、次々と口に跳び込ませたくなるほど美味い、というようなニュアンスになりますが、日本風に言えば「ほっぺたが落ちる」というところでしょうかね。
まぁ、そんな名前をつけてしまうところが、イタリア的と言えばイタリア的ですが・・・・
子牛の肉に生ハムを張りあわせて焼き、ブロードとデミソースで味付けしたものなんですが、生ハムから塩味が出るので、塩は一切加えません。
ウチでは、以前にも書いた、24ヶ月熟成の生ハムと超濃厚なコンソメ、それに2週間煮込んで仕上げたデミソース(いわゆるデミグラスソースの特別濃いヤツ)を使うので、そのソースの味は極めて濃厚です。
ローマ風と名前はついていますが、ウチのやり方は明らかに北イタリアのやり方ですね。
これを食べたお客さんが、「知っている味で表現するなら、とんこつスープのずーっと濃厚なヤツ」と言われた事がありますが、とにかく、肉の味を凝縮したソース、といったところでしょうか。
このソースも、パンにつけて食べて頂くといいですね。
時々、皿を下げに行くと、まるで嘗めたように皿が綺麗になるまでソースを味わって下さるお客さんがおられますが、本当にうれしいものですね。
ただ、上の画像にあるグリーンピースについては、考える事があるのです。
教わったやり方ではグリーンピースを入れるのですが、料理として絶対に必要か、というと、必要ないようにも思います。
今はまだ迷っているのですが、多分、入れない方に向かっていくと思いますね。
ちなみに、サルティンバンコ Saltimbanco という見世物がありましたが、バンコ banco は台とかベンチの事ですから、ベンチを跳び超える、というような意味ですね。
男性名詞である banco を女性型 banca に変えると、銀行の意味になりますが、「両替するための台」が語源になっているそうです。
今回書いた4つの料理は、どれも本当にイタリアらしい料理で、見た目も作り方もシンプルなものばかりです。
余計なものは一切入れず、素材の持ち味を生かすために必要な最小限の材料で作るという、イタリア料理の基本が良く表れている料理なのですが、それだからこそ、こういうシンプルな料理ほど、使った材料の差がハッキリと出るんですよ。
それ故に、ごまかしが利かないので、正攻法でいくしかないのですけどね。
でもね、こういうシンプルな料理って、あまり料理を知らない人にとっては、解りにくい料理なんでしょうね。
料理をあまり知らない人には、いろんな材料や調味料が使ってあって、見た目にも綺麗に飾りつけられている料理の方がウケるのは当然の事なんだと思います。
料理に限った事ではありませんが、物事を突き詰めていく程、余計なものが削ぎ取られてシンプルになっていくものですよね。
ウチでお出ししているのは、古典的な料理がメインですが、そういう料理は、年月を経るうちに本質だけが残って完成された料理ですから、手順の一つ一つを確実にやり、なおかつ、余計な手を加えない事が必要なんですね。
だからオレは、余程のことがない限り、教わった作り方を変えることなく作っているわけです。
もう少し、見た目に色気があるように飾り付けを考えれば、少しは流行る店になるのかもしれませんが、余計な飾り付けをするのは、オレの仕事じゃない・・・・まぁね、それが職人として当然の事だと思っているのですけどね。
今回の料理も、皆さんに気に入って頂けたようで、次回の予約をして頂きました。
敢えて、儲けの出ないスタイルで営業をしているオレにとって、本質を解って下さる方に喜んでもらえる事が、一番うれしい事ですね。
そして今回、CEOの弟さん(元アメフト・プレイヤー)が、こんな物を持ってきてくれました。

デンヴァー・ブロンコスのプレート。
早速、フットボール関係の書物を置いている棚に飾りました。
次回も、皆さんに喜んで頂けるように、今からメニューを考えているところです。
CEOの思いつきで始めた『ゴッド・ファーザー風のテーブルセット』ですが、特別な時や、いつもとは違った食事会をしたい時、こんな風にテーブルのセットを変えてみるのも、いいと思いますよ。
では、また。
Ciao. Arrivederci!!
この"spock"という名前、高校生の頃からのあだ名なんですが、『宇宙大作戦』(今は『スター・トレック』の方が通りがいいんでしょうね)で、レナード・ニモイ Leonard Nimoy が演じたMr.Spock(後のSpock船長)に似ていたから付けられたわけです。
その、レナード・ニモイが俳優を引退するとニュースで知ったのですが、何か寂しさを感じますね。
ただ、そのニュースの記事の最後に書かれていた一行を見て、思わず笑ってしまった。
『ニューヨーク・ポスト紙によると、今後は専門としているヌード写真の撮影に専念するとのこと。』
やっぱり、ヘンな人なんですねぇ。(笑)
と、そんな事を思っていたら、さらに続編がありました。
カナダのアルバータ州にある、人口約2000人の町『ヴァルカン』を、レナード・ニモイが訪れたというのです。
Mr.Spock は、ヴァルカン星で育ったという設定になっているので、スター・トレックのファンには人気の場所なのだそうですが、同じ名前というだけで押しかけるファンもすごいけど、毎年夏に「スポック・デイズ」という祭りをやってしまう町もすごいですね。
レナード・ニモイの訪問に対し、とがった耳をつけた町長が挨拶した、というノリに、思わず笑ってしまいましたけどね。
さて、では本題に入りましょうか。
3月の終わりに、いつも贔屓にしてもらっている、あるグループ会社のCEOから予約が入りました。
グループ会社の社長5人が集まって食事会をするとの事で、CEOお気に入りの、鯛のモンテカルロ風バターソースと、子牛のミラノ風カツレツを希望されました。
当日の夜、料理の準備も済ませ、いつものように、二人と三人が向かい合うようにテーブルをセットして、お待ちしていました。
CEOが最初に来られて、他の方たちが揃うのを待っておられたのですが、何か思いつかれたようで、「あの~、テーブルのセット、変えてもいいですか」って言われたのですよ。
で、オレも手伝って、CEOの言われるようにセットを変えたのですが、出来上がったセットがこんな感じ・・・・
2台のテーブルをフルに使い、CEOを中心に、空間を多くとって、ゆったりとした配置にしました。
並べ替えた配置を見て、CEOが言いました。
「ゴッド・ファーザーの映画を見てから、こういう配置のテーブルで食事をするのに、ずーっと憧れていたんですよ。」
なるほどねぇ・・・・
ウチのテーブルは結構大きいので、普通に座っても十分に間隔が開きますから、いつも間隔が開き過ぎないようにと思ってセットしていたのですが、こんなふうに間隔を広く取ってセットする、というのもアリですね。
確かに、この日の食事会の雰囲気は、ゴッド・ファーザーのシーンを彷彿とさせるものでした。
この日は、料理もワインも、そして雰囲気も、皆さんに喜んでもらえました。
こういう事が、一組ごとにお客さんの希望に合わせる、ウチの強みなんだと思いますね。
さて、この日お出しした料理について、書いてみましょうか。
まずは『鯛のモンテカルロ風バターソース』ですが、ウチでお出ししている料理の中で、ハマる人が一番多い料理です。

簡単に言えば、鯛のムニエルに、ニンニクとアンチョビを入れたバターソースを絡めたものなんですが、その焦がし具合にテクニックが必要なんです。
誰にでも、得手不得手というものがありますが、とういうわけか、オレはこのモンテカルロ風バターソースが全く苦手で、本当に自信を持ってできるようになるまで、20年かかりました。
でも、一番苦手だった料理が、今では店で一番人気の料理なんですから、判らないものですね。
このソースで難しいのは、バターとニンニクとアンチョビを、それぞれがちょうどいい焦げ具合になるように合わせるタイミングなんですよ。
たんぱく質を焦がす事で香りを出す、いわゆる『メラノイジン反応』・・・・早い話が、しょうゆを焦がすといい香りがする、アレです・・・・を最大限に活かした料理ですね。
このモンテカルロ風のバターソースは、パンにつけて食べるのには最高に美味いソースだと、オレは断言します。
これは、ぜひ一度試して頂きたいですね。
ただ、ロゼッタはイタリアで製造中止になったので、今ある在庫が無くなると終わりです。
お早めにどうぞ。
次は『子牛のミラノ風カツレツ』です。
普通、地名がついた料理は、必ずしなければならない手順が決まっているものなんですが、この料理の場合は、料理自体がシンプルな事と、誰もが知っているほど有名なせいで、専門書を見ても、どれが本当なのか判らないくらい、いろんな作り方があります。
ウチでお出ししているのは、正統的な『ミラノ風』のカツレツだと自負しているのですが、それには理由があります。
オレが料理を教わった『ベルゲン』の安田氏は、ミラノ料理の最高峰であり、イタリアで最高の格式を誇る『サヴィーニ』 Savini で修業されたのですが、安田さんからこの料理を習った時、これだけの事をすべてやって初めて『ミラノ風』と言えるんだ、と言われました。
オレはその安田氏直伝のやり方を守ってやってますから、ミラノ風カツレツの『正統』を名乗ってもいいと思うのです。
上の画像で、カツレツの上に載っているのは、皮を剥いてスライスしたレモンに、みじん切りにしたケッパーを載せたものです。
ナイフの先でケッパーをレモン全体に広げ、適当な大きさに切って、カツレツと一緒に食べるのですが、ケッパーには、独特の香りがあるので、もし、合わなければ、カツレツだけで食べてもらえばいいですよ。(もっとも、今のところ、合わないと言われたお客さんはおられませんが)
肉料理をサッパリと食べたい、という時にはお勧めの一品です。
その食事会を気に入って頂けたようで、それから一月経った4月末、CEOから予約が入りました。
前回と同じようにやってほしいとの事。
ありがたい事です。
また、前回と同じようにテーブルをセットして、お待ちしました。
魚料理は、ちょうどいい大きさの鯛が入ったので、久しぶりに『岩塩包み焼き』にしました。
岩塩の塩味と、レモンだけのシンプルな味付けなので、鯛の味そのものを味わって頂けますね。
肉料理は、『ローマ風サルティンボッカ』にしました。

このサルティンボッカ Saltimbocca という名前、saltire(飛び跳ねる)と bocca(口)をあわせたもので、次々と口に跳び込ませたくなるほど美味い、というようなニュアンスになりますが、日本風に言えば「ほっぺたが落ちる」というところでしょうかね。
まぁ、そんな名前をつけてしまうところが、イタリア的と言えばイタリア的ですが・・・・
子牛の肉に生ハムを張りあわせて焼き、ブロードとデミソースで味付けしたものなんですが、生ハムから塩味が出るので、塩は一切加えません。
ウチでは、以前にも書いた、24ヶ月熟成の生ハムと超濃厚なコンソメ、それに2週間煮込んで仕上げたデミソース(いわゆるデミグラスソースの特別濃いヤツ)を使うので、そのソースの味は極めて濃厚です。
ローマ風と名前はついていますが、ウチのやり方は明らかに北イタリアのやり方ですね。
これを食べたお客さんが、「知っている味で表現するなら、とんこつスープのずーっと濃厚なヤツ」と言われた事がありますが、とにかく、肉の味を凝縮したソース、といったところでしょうか。
このソースも、パンにつけて食べて頂くといいですね。
時々、皿を下げに行くと、まるで嘗めたように皿が綺麗になるまでソースを味わって下さるお客さんがおられますが、本当にうれしいものですね。
ただ、上の画像にあるグリーンピースについては、考える事があるのです。
教わったやり方ではグリーンピースを入れるのですが、料理として絶対に必要か、というと、必要ないようにも思います。
今はまだ迷っているのですが、多分、入れない方に向かっていくと思いますね。
ちなみに、サルティンバンコ Saltimbanco という見世物がありましたが、バンコ banco は台とかベンチの事ですから、ベンチを跳び超える、というような意味ですね。
男性名詞である banco を女性型 banca に変えると、銀行の意味になりますが、「両替するための台」が語源になっているそうです。
今回書いた4つの料理は、どれも本当にイタリアらしい料理で、見た目も作り方もシンプルなものばかりです。
余計なものは一切入れず、素材の持ち味を生かすために必要な最小限の材料で作るという、イタリア料理の基本が良く表れている料理なのですが、それだからこそ、こういうシンプルな料理ほど、使った材料の差がハッキリと出るんですよ。
それ故に、ごまかしが利かないので、正攻法でいくしかないのですけどね。
でもね、こういうシンプルな料理って、あまり料理を知らない人にとっては、解りにくい料理なんでしょうね。
料理をあまり知らない人には、いろんな材料や調味料が使ってあって、見た目にも綺麗に飾りつけられている料理の方がウケるのは当然の事なんだと思います。
料理に限った事ではありませんが、物事を突き詰めていく程、余計なものが削ぎ取られてシンプルになっていくものですよね。
ウチでお出ししているのは、古典的な料理がメインですが、そういう料理は、年月を経るうちに本質だけが残って完成された料理ですから、手順の一つ一つを確実にやり、なおかつ、余計な手を加えない事が必要なんですね。
だからオレは、余程のことがない限り、教わった作り方を変えることなく作っているわけです。
もう少し、見た目に色気があるように飾り付けを考えれば、少しは流行る店になるのかもしれませんが、余計な飾り付けをするのは、オレの仕事じゃない・・・・まぁね、それが職人として当然の事だと思っているのですけどね。
今回の料理も、皆さんに気に入って頂けたようで、次回の予約をして頂きました。
敢えて、儲けの出ないスタイルで営業をしているオレにとって、本質を解って下さる方に喜んでもらえる事が、一番うれしい事ですね。
そして今回、CEOの弟さん(元アメフト・プレイヤー)が、こんな物を持ってきてくれました。

デンヴァー・ブロンコスのプレート。
早速、フットボール関係の書物を置いている棚に飾りました。
次回も、皆さんに喜んで頂けるように、今からメニューを考えているところです。
CEOの思いつきで始めた『ゴッド・ファーザー風のテーブルセット』ですが、特別な時や、いつもとは違った食事会をしたい時、こんな風にテーブルのセットを変えてみるのも、いいと思いますよ。
では、また。
Ciao. Arrivederci!!