スポンサーリンク

この広告は一定期間(1ヶ月以上)更新のないブログに表示されます。
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
  

Posted by at

2012年11月30日

今年最後のジェノヴェーゼ

Ciao. spockです。

いや~、ホント、寒いですねぇ。
今年の11月の平均気温は、例年に比べて名古屋では1度くらい低いそうですが、高山ではもっと低いんじゃないかと思いますね。
思い出してみると、一昨年の11月23日の朝、松倉山へハイキングに行った時、天気予報に朝8時の予想気温が9℃と出ているのを見て「すっごく寒そう」と思った事を憶えているし、去年は12月の初め頃まで、オレのいつものスタイル(パーカにフットボールパンツ)で歩き回っていたし・・・・ 
今年は、夏が急に暑くなったけど、寒くなる時も急に寒くなったという事なんでしょう。
まぁね、今が少しくらい寒くても、冬本番になった時が暖かければ(そして雪も少なければ)、何も言うことはないのですが。


この8月から『岐阜県飲食店改革セミナー』を受講しているのですが、11月のセミナーは「飲食店デザイン」についての話で、講師の方の話によると、最近の傾向として、常連客を確保する、という目的のため、「敢えて入りにくい入口にする」、「サインを小さくシンプルにする」、「お客さんと目線の高さを合わせたカウンターにする」というデザインが増えているのだそうです。
これって、ウチでは7年前からやっている事なんですけどねぇ・・・・

ウチが人気店にならないのは、時代を先取りしすぎたからなんだろう、って思っているんですが、逆に考えれば、時代がオレに追いついてきたわけですよね。
聞いた話によると、初めてやった人は失敗し、2番目にやる人が成功する事が多いそうなんですが、初めてやる事に意義があるんだと、オレは思います。

そういえば、赤坂で働いていた時に本当にお世話になった、故 中内 功ダイエー元CEOは、ダイエーの内部から、やる事が時代を先取りし過ぎて失敗ばかりする、という批判をされていましたが、批判を受けても、やらずにはいられなかったんだと思います。
大袈裟な言い方かもしれないけれど、これも『男のロマン』というヤツなんでしょうね。


ここで、お詫びとお礼を。
8月に新しいPCを買ったのだけれど、なぜだかわからない再起動をする事があって、そのせいでアップ直前の文章が消えてしまった事が何度もあり、今回のブログも、思い出しながら書き直したため、1月ほどアップが遅れ、結局、2ヶ月近く更新ができなくなってしまいました。
その間に覗いて下さった方、ごめんなさい、そしてありがとうございます。


さて、本題に入りましょうか。

今年は、上にも書いたように、気候の変化が極端でしたが、そのせいもあってか、農作物にも出来不出来の差がハッキリと出たようで、それがすぐに値段に反映するため、仕入れにも結構影響がありました。
東京にいた時、ある小さい八百屋のおっちゃんが、「八百屋がつぶれることはないんだよ。野菜は肉や魚と違って冷凍保存ができないからね。」って言っていましたが、確かに野菜は長期保存ができないから、常に新しいものを仕入れるしかないのだし、それ故、出来不出来の差によって値段が大きく変動するのは仕方がないのでしょう。

今年、あまり出来のよくなかった作物のひとつがバジリコで、葉が大きくならず、例年より収穫時期を少し遅らせたのですが、結局、例年ほどの大きさまでにはなりませんでした。
ジェノヴェーゼ用に、中でも大きく育った株だけ収穫して使ったのですが、大きさは小さくても、色や香りは例年と変わらなかったので、ジェノヴェーゼのソースも変わる事無く出来ました。

で、そのまま収穫せずに様子を見ていたバジリコは、それ以降もあまり育つ事はなく、葉も小さいままでしたが、旬は過ぎたとはいえ、しっかりと香りもあったので、10月の下旬に刈り取り、ジェノヴェーゼのソースにする事にしました。
一抱えほどある株が、全部で8株・・・・でも、葉は小さいので、実際に使える量としては、大きく育ったものの半分くらいでしょうか。

ジェノヴェーゼのソースを作る上で一番たいへんなのが、葉を一枚一枚ちぎりとり、黒くなったところを取り除き、水洗いして、水分を乾燥させる事。
でも、そこまでやってしまえば、もう半分以上は終わったようなものです。


バジリコの他に必要な材料は、ニンニク、アンチョビ、松の実、そしてオリーヴオイル。

イタリアでは、保存性を良くするために、マジョラムを加える事もありますが、オレはあまり必要性を感じないので使いません。

これらの材料をミキサーにかけて、


こんなペーストにします。


このペーストとバジリコ、そしてオリーヴオイルをミキサーに入れ、


色が飛んでしまわないように、少しずつ回して、ペースト状にします。

バジリコはアクが強いので、空気に触れたところが黒くなりますから、手早くやらないといけません。

全部をペースト状にしたところが、こんな感じ。

光の加減で、少しくすんだ色に見えますが、実際はもっと鮮やかな色をしています。

ここへ、塩、コショー、オリーヴオイルを加えて、味と濃度を整えます。
これを密封容器に入れ、空気に触れないようにオイルを注いで上に層を作り、密封して保存します。

今回作ったジェノヴェーゼのソースは、バジリコ自体に、旬の時のような峻烈な香りがなかったので、旬の時期に作ったものに比べると、少し香りは弱いですが、比率的に葉を多く使ったので、十分に味も香りも楽しめるソースになりました。
旬の時期のものよりマイルドな仕上がりなので、逆に一般ウケするかもしれません。
また、旬の時期のものよりアクが弱いので、黒くなりにくい点はいいですね。

このソースは、スパゲッティか、自家製のパスタなら、リングイーネのような細めで厚みのあるものが合うと思います。
もちろん、フェットゥッチーネあたりと合わせても悪くはないんですが、やっぱり細めのパスタの方が合うでしょうね。


このソースをパスタと合わせる時は、ウチではこんなふうにやります。
パスタを茹でている間に、一皿に対して大匙山2杯くらいのジェノヴェーゼを皿に取り、塩、コショー、パルミジャーノ レッジャーノ、茹で汁を加えて、味と濃度をあわせておきます。
茹で上がったパスタを、温めておいた皿に盛り付け、パルミジャーノ レッジャーノをタップリふりかけ、その上にジェノヴェーゼのソースを載せます。


食べ方は、すぐに全体をかき混ぜてソースを和え、色が黒くならないうちに手早く食べます。
このソースは空気に触れると、どんどん色が黒くなりますから、ゆっくりと食べていると、最後の方は黒ずんだ、あまり美味しそうではない色になってしまうので、食べるのが遅い人にはお薦めしません。

また、生のニンニクが多量に入っていますから、それだけでダメという人や、腹具合が悪くなる人がいてもおかしくありません。
だから、万人向けのソースでは決してありませんが、ニンニクや香辛料の香りが好きだ、という人には絶対のお薦めです。

このソースは、パスタに合わせるだけではなく、他の使い方もあります。
たとえば、このソースをマヨネーズとレモンジュースでのばし、ゆでた鶏肉と和えれば、前菜の一品になりますね。

現在、旬の時期に作ったものが約10皿分、10月の終わりに作ったものが約10皿分あります。
きっちりと保存はしてありますが、時間が経つにつれて香りは薄れていきますから、早めに使ってしまう方がいいので、食べてみたいと思われる方は、早めに来てもらった方がいいですね。
コースに組み込む事もできるし、カウンターで単品としてオーダーしてもらう事もできますよ。

ちょうど、このソースを作った直後に食べに来てくれたDEBU-NOTEさんのブログも、参考にしてもらえればいいかと・・・・


では、また。
Ciao. Arrivederci!!  

Posted by spock at 07:45Comments(4)料理