2009年09月30日

化け猫のその後

Ciao. spockです。

9月も終盤で『秋本番』という感じになってきましたが、いまいちハッキリとしない天候が続きますね。
夏が夏らしくならないまま終わってしまったのですから、秋くらいはスカッと気持ちよく晴れた日が続いてほしいものです。


さて、以前からお知らせしている、ケータイ用ウェブサイトですが・・・・なかなか完成しません。
一応、できた部分から公開していますが、完成まで、まだまだかかりそうです。
現在「今日のランチ」で、その日のランチの内容を表示していますので、ランチ選びの参考にして頂ければいいと思います。

それから、以前作っていたLA FENICEのパンフレット・・・・そのデータが入っているiBook G4が起動できなくなったため、もうかなりの間、作るのをやめていました。
また一から作り直すのには、気力も時間も必要なので、作り直したいと思いながら、なかなか作れないまま一年以上経ってしまったのですが、やっと新しいヴァージョンのものが完成しました。

化け猫のその後内容的には、前のものとそれほど変わっているわけではありませんが(言いたいことは変わりませんから)、ページ数も増えました(A5版16ページ)。

以前のもの以上に中身は濃くなり、店の事、イタリア料理の事、食材の事、自分の思いや趣味の事、薀蓄など、ギッシリと書き込んであります。

プリンターで印刷してステープラーで綴じた、手作りのパンフレットですが、見た目は以前のものより、かなり良くなっていると思います。

以前と同様に店に置きますので、最後まで読んで下さる方は、ご自由にお持ち下さい。
とりあえずパンフレットだけ読んでみたい、という方にも差し上げますので、電話かメールでお申し付け下さい。



では、本題に入りましょう。
箱根スカイラインへ向かう山道で止まってしまった化け猫(Jaguar XJ-S Convertible)ですが、預けてきた工場から修理が終わったとの連絡をもらい、御殿場まで受け取りに行ってきました。

高山線、新幹線、東海道線、御殿場線と乗り継いで、南御殿場の駅へ向かったのですが、前回、感動的なまでにハッキリと見えた富士山は、今回はまったく見えず・・・・
一晩化け猫を預かってもらった、南御殿場駅前の工場へお礼を言いに行ったのですが、担当の人はお休みという事で、持って行ったウチの焼き菓子を預けておきました。
その工場の人がタクシーを呼んでくれたので、目的の工場へは、すぐに行くことができました。
挨拶もそこそこに、修理代を支払い、社長さんから話を聴く事に。


今回、化け猫のエンジンが止まった原因は、ディストリビューターにありました。
ディストリビューターの中にオイルが入り込み、固着して接触不良を起こしていたため、1気筒が燃焼せず、生ガスがエグゾーストパイプの中で燃焼して温度が上がり、センサーが異常を感知してエンジンを止めた、というわけです。
取り外されたディストリビューターを見せてもらいながら説明を聞くと、こうなった理由がよく解りますね。
ディストリビューターのカヴァーとローターヘッドは、一度交換されているらしいけれど、本体そのものは新車当時からのものなので、中のオイルシールが劣化して、オイルが入り込んだのだそうです。
今回、新品に交換してもらったので、安心して乗れますね。

でも、社長さんから指摘がありました。
コールドスタート用のインジェクションに問題があると・・・・
これはオレも分かっていたし、解決方法があるので、別に問題だとは思っていなかったのですが、一ヶ所の不調がだんだん周りに広がっていくものだから、きちんと直したほうがいいと言われました。
う~ん、やっぱり直さないとダメかぁ・・・・
いつも見てもらっているKさんに相談して、手を打つ事にしましょう。
(後で調べたところ、12気筒の場合はオーグジャリー エアヴァルヴの調整か交換で治るようです。)

今回、化け猫を見てもらったのは『インポルト』という工場なのですが、ファックスで送られて来た請求書を見たとき、ホント、驚きました。
12気筒用なので部品代が高いのは仕方がないんだけれど、プラグ12本の点検と清掃、それに燃圧のチェックで10000円、ディストリビューター交換の工賃が9000円・・・・絶対に、もっとかかると思ってましたから。
外車というだけで、馬鹿みたいに高い工賃をふっかけてくる工場が多いと聞きますが、ここは本当に良心的な工場だと思います。
社長の蓑屋さんは、本当にクルマが好きでこの仕事をやっている人なんでしょうね。
そういう意味では、オレと同類なのかもしれません。

この工場の駐車場には、結構な台数の外車が並んでいましたが、その中にあっても化け猫は、一種独特のオーラを放っていました。
蓑屋さんの話では、何人ものお客さんから、このクルマは売り物なのか、って訊かれたのだそうです。
20年も前のクルマだけれど、未だに人を惹きつける何かを持っているのでしょうね。

蓑屋さんに、店のカードと焼き菓子を渡し、裾野ICとGSの場所を教えてもらって出発です。
スターターを回すと、エンジンの中に高い圧力がかかっている事を感じさせる「クゥウウウウウウウン」というセルモーターの音の後、「ズゥーン」てエンジンがかかるのですが、その音を聞くたびに、あぁ、いいなぁ、って思ってしまいます。
久しぶりのエンジンの音・・・・しばらくエンジンを暖機しながらトップを開け、出発です。
御殿場の天気は薄曇り・・・・富士山は見えませんでした(見えない日のほうが多いのだそうです)が、トップを開けて走るには、絶好の天気ですね。

GSでガソリンを入れた後、裾野ICから東名に乗り、西を目指します。
もともと、高速道路を走るより、風景を見ながら下道をのんびりと走るのが好きなのだけれど、今回は時間の都合もあり、流れに乗って90~130km/hくらいの間でひたすら走ります。
このクルマは、それくらいのスピード域で走っている時が一番気持ちいい!!

吉村達也さんの『戸隠の愛殺人事件』の中に、オレのと同じXJ-S Convertibleが出てきて、所有者の女性が無理やり助手席に乗せられ、オープンの状態で180km/hで飛ばされて恐怖で身動きできなくなる、というシーンがあるのですが、多分それは本当のことだろうと思います。
オープンカーは無闇に飛ばすクルマではない・・・・飛ばすのが目的なら、絶対にクーペを選ぶべきですね。


薄曇りの空の下、気持ちよ~く走っていたのですが、西へ向かうにつれ、だんだんと雲が少なくなり、愛知県へ入る頃にはピーカンで、メチャメチャ暑い・・・・
でも、そのまま走り続けました。

途中で何台かのオープンカーを見かけましたが、みんなトップを上げている・・・・
オープンカーというのは、トップが下ろせるからオープンカーなのではなく、トップを下ろして走るからこそオープンカーなのだ、とオレは思っているので、「この軟弱者が~」って思いながらぶち抜いてやりましたけどね。
結局、400km以上をトップを下ろしたまま走りきりました。

ピーカンの太陽の下では、メチャメチャ暑くて日に焼けたし、高山に近づいた夕方には、風が冷たくなってヒーター全開で走ったけれど、本当に気持ち良かった。
やっぱりオレは、根っからのオープンカー好きなんでしょうね。


そういえば、以前読んだ本の中に、XJ-S Convertibleについて、こんな事が書かれていました。

本来こういうクルマに乗る人は、あまりオープンにしないものなのだ。このクルマは屋根が下ろせるんですよとアピールしながら走るのが贅沢なのであり、だから、いつ屋根を下ろすかという議論が面白い話題になり得るのだ。

このクルマに乗るような人達にとっては、こういうクルマがスポーツカーなのであり、このクルマを一番多く見かける場所は、ポロ競技場なのである。



う~ん、ここに書かれていることが本当なら、いつもオープンで走っているオレは、全くもって大人気無い行為をしている事になるんでしょうね。
ましてや、ポロの試合後に正装してパーティーをやるような人から見れば、アメフトのパンツにパーカなんて格好でこのクルマに乗っているオレって、軽薄そのものに見えるかもしれません。

でもね、そういう事が「様になる」まで貫き通せば、それは十分『自分のスタイル』になり得ると思うんですよ。
まぁね、高速道路を400kmもオープンで走るって、自分でも「バカだなぁ」って思うんですけどね・・・・でも、そんなバカがいないと、世の中は面白くないと思います。
他の人と同じ事をするのが嫌いなオレには、そんな生き方が合っているんでしょうね。


そういえば、高速道路を走っていて料金所へ近づいた時、「どうしよう」って思ったことがあります。
左ハンドルのクルマはどうやって料金を払うのか、って事。
このクルマで一人で高速に乗ったのが初めてなんで・・・・
とりあえず、右へぎりぎりまで寄せて停めたら、おじさんが慌てて出てきて言いました。
「そんなに寄せて停めて頂かなくてもいいですよ。高級車なんだから、ホイールを擦ったら大変ですよ。」

本来こういうクルマに乗る人は、こういう場合でも鷹揚に構えているんでしょうけど、このクルマを50万円で手に入れて、ホイールもヤフオクで落札した人間としては、おじさんの言葉に恐縮して「すいません、ありがとうございます。」って言いながら、頭を下げてしまいます。
『本来こういうクルマに乗る人』ではないオレは、そういう生き方を貫き通したいと思います。


まぁ、何とか、化け猫を連れて帰ってきたわけですが、修理後いきなり400km以上も走らせましたから、しばらくは様子を見ながら労わってやらないといけませんね。
いつも見てもらっているKさんに経過を話したら、近いうちに見てくれるとの事。
なんせ、20年も前のクルマですから、走っているとあちこちからいろんな音が聞こえますが、その中から、いつもとは違う音や、なんとなく怪しい音を聞き分けて、早めに手を打つことが必要です。

若いもんとは違いますから、年相応に扱ってやらないと・・・・なんか自分を重ねて考えてしまいますね。
40代も終盤の男にとっては、こういう相棒が一番いいのかもしれません。

な~んて言いながら「こういうクルマは走らせてナンボ」って思ってガンガン走らせる自分がいる。
まぁね、オレ自身が「まだまだ若いもんには負けん!!」と思ってますけど、このクルマもきっとそうでしょう。
これからも、能天気にトップを開けて走り回ることになるんだろうと思いますね。

これからが、オープンカーにとって一番気持ちのいい季節です。
そのうちに、屋根無しクラブのメンバーと一緒に走りたいものですね。


では、また。
Ciao. Arrivederci!!

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Posted by spock at 17:35│Comments(6)クルマ
この記事へのコメント
今日はどうもご馳走様でした。気分が落ち込んでいる時は美味しいものをたべるに限りますね!当店のオーブンも無事生き返ったので明日からはシッカリ営業をしたいとおもいます。
Posted by ノアドココ at 2009年09月30日 21:11
>このクルマは屋根が下ろせるんですよとアピールしながら走るのが贅沢なの
・・・ん〜これはよくわからんなー(- -)。雨の多いイギリスだからなのかねー。
Posted by ネコ先生 at 2009年10月01日 00:33
ノアドココさん

ご来店ありがとうございました。
落ち込んだ気分を回復するために来てもらえた事・・・・これは本当にうれしいですね。
「食事で元気を回復する」、それが『リストランテ』の本来の意味であり、使命なんですから。

今日は昨日の分もがんばって下さい。
Posted by spock at 2009年10月01日 09:45
ネコ先生

オレもよくわかりません。
使える機能を使わないのが『セレブ』な人達の作法なんでしょうかね。

オレは、使える機能は最大限使う人間ですから、多少の雨でもトップを開けたまま走りますけど・・・・
Posted by spock at 2009年10月01日 09:55
あちくしは、ズーット考えてます

一回集合写真撮りたいっす。
Posted by frog eyes at 2009年10月01日 21:36
frog eyesさん

いいっすね。
一度集まりましょうよ。
クルマも一緒に撮れたらいいですよね。
Posted by spockspock at 2009年10月01日 22:06
 
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    コメント(6)