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2007年09月02日

ブラウマイスターの話

Ciao. spock です。

何となく、秋の気配を感じるようになってきましたね。
夏が一番好きなオレにとっては寂しい時期なんですけどね・・・・

それにしても、この8月は本当に暑かったですね。
そのせいもあってか、この夏はビールがよ〜く出ました。



ウチの店でお出ししているビールは、キリンの『ブラウマイスター』の生です。

他のビールに比べて高いからなのでしょうか、ここ2年ほど、高山で出している店はウチを入れても3軒だけだと聞いていました。
(他の2軒は『宵月』さんと『侘助』さんです)

でも最近、キリンビールの方から、ブラウマイスターを出す店が6軒に増えたと聞きました。

自分がいいと思っているものが広まっていく事は喜ぶべき事なのでしょうが、扱う店が増えるのは、マイナー主義のオレにとっては少し寂しいような気もしますね。





もう30年以上も前に読んだ本(当時創刊されたばかりの『月刊プレイボーイ』のビール特集でした)に、こんな事が書かれていました。
『ヨーロッパの文化は、ワイン/オリーヴ文化と、ビール/バター文化に分ける事ができる』
(当時オレは高校1年でしたが、こういう事を知った事も、オレが今の仕事を選んだきっかけのひとつになったのかもしれません。)

同じヨーロッパでも、温暖な南の国では料理にオリーヴオイルを使いワインを飲みますが、寒い北の国では料理にバターを使いビールを飲みます。
スペインやイタリア南部は前者で、ドイツは後者ですね。

で、北イタリアはと言うと、料理にバターを使いワインを飲みます。両方の文化の中間というか、両方の文化が混在しているわけです。
あくまでもワインと合わせるのが本当なのですが、そういうふうに考えれば、北イタリア料理にビールは合うはずですね。
ただ、バターやチーズなどの乳製品を使う事が多いので、しっかりとした味のビールでなければ料理に負けてしまいます。
ウチの料理に、例えば『スーパードライ』なんかを合わせる事は、オレには考えられないですね。

そんな理由でブラウマイスターを選んだのですが、オレはブラウマイスターとエビスがうまいビールの双璧だと思います。
まぁ、好みの問題もあるのでしょうが、ウチの料理に合わせるのなら、この2つ位しか思いつきませんね。
(こういう事をパンフレットに書いていたからなのでしょうか、先日サッポロ・ビールの方が、エビスとエビス・ザ・ホップの試供品を持って来てくれました。)

カウンターへ来て下さるお客さんにも「ブラウマイスター」と注文される方が多いですから、やはりこのビールの良さを理解してもらえているのだと思うのです。


去年の5月に、キリン・ドラフトマスターズ・スクールのドラフト・マネージャーコース(毎年1回、高山でも開催されます)を受講したのですが、その中で講師の方がこんな事を言われました。
「ドラフトビールは、グラスやジョッキに注ぐ事で初めて商品になるのです。だから、注ぎ方に細心の注意が必要です。それと共にビールの管理やサーヴァーのメンテナンスが非常に重要です。」

グラスやジョッキに注ぐ事で初めて商品になる・・・・・言われてみれば確かにそのとおりです。
ただ栓を抜いて出すだけで商品になる瓶ビールとの違いはそれでしょう。
でも、その注ぐ事が難しいのですよ。
特に何杯か同時に出す時なんかは、ビールと泡の割合や泡の状態を、全て同じように仕上げるのはスゴく難しいですね。

そう言えば、調理師学校へ行っていた時、面積が日本一というビアガーデンでウェイターのアルバイトをした事があるのですが、ビールを注ぐ人の手際の良さとスピードに感心しました。でも、今になって考えると、かなり適当な注ぎ方でしたね。
まぁ、ああいうところではスピードが命なわけで、客も『ビールを味わう』ために来ているわけではないですから、そんな程度でも許されるんでしょうね。

夏に冷たいビールはつきものですが、冷たくする前のビールの管理は夏が一番難しいのですよ。
生ビールは時間の経過と共に劣化していくわけですが、温度が25℃を超えると、劣化する速度が急激に早くなるのです。
樽ごと冷やすサーヴァーなら問題はないのですが、ウチでは樽がむき出し状態ですから、初夏にはもう危ないのですよ。
で、考えたのがコレ。

見た目はよくないですが、発砲スチロールのケースの中に樽と保冷剤が入れてあり、少しでも温度を下げて劣化を遅らせようというわけです。

でも、ビールが必ず毎日出るとは限りませんから、こんな対策をしていても劣化が進んでしまう事があります。
飲んでみると、酸味を感じるのですよ。

そうなったら、勿体ないけれどそのビールはボツです。

まぁ、そんな事をしているから全然儲けが出ないのは分かっているのですが、修了証をもらった以上は、間違ってもヘンなビールを出すわけにはいきませんね。


さあ、冷たいブラウマイスターが出てきました。
つまみはどうしましょうか。


ウチの定番は、生ハムとサラミの盛り合わせです。グリッシーニ(棒状のパン)にハムを巻き付けると、つまみとして食べやすくなりますね。
(生ハムをグリッシーニに巻き付けるのは、大抵の場合、子供の方が上手ですね)









イタリア人がよくやるように、アンチョヴィやオリーヴ、乾燥トマトのオイル漬け等を齧りながら、というのもいいですね。
(ただし、口に付いた油を拭き取らないと、泡が消えてしまいます)

コクのあるこのビールなら、チーズを合わせるのもいいと思います。

また、以前このブログにも書いた、手作りマカロニをつまみにするのもいいですよ。


コースで料理を食べる場合、食前酒代わりにビール、その後でワインというのもスマートな飲み方だと思います。


ビールが一番ウマく感じる夏はもう終りです。
でも、ビールをじっくりと味わうのなら、これからの季節がいいと思います。

ブラウマイスター・・・・じっくりと味わってみませんか。

では、また。
Ciao. Arrivederci!!  続きを読む

Posted by spock at 14:30Comments(11)